「底つき体験」って、ご存知ですか? アルコール依存症の人の底つき体験。 というと、たいていの人は想像するのに難しくないのではないでしょうか? アルコール依存症に関しての特別な表現ではないのでしょうが、 アルコールにまつわる諸現象の表現として使われることが多いものですから、 アルコール依存症患者同士の会話では、かなり頻繁に出てくるワードの一つになっています。 今回は、そんな「底つき体験」の解説と、その体験を上手く利用しての断酒への踏み出す方法を、 わたしがアルコール専門病棟に入院した時に、 ある人から聞いた底つき体験の体験談と、 わたしが断酒に踏み切れたきっかけにもなった体験をもとに、書かせていただきます。 目次 ①底つき体験ってどんな感じ? ②ある会社員の底つき体験からの断酒に踏み出すまでの話を聞いた話 ③わたしが断酒に踏み切れた底つき体験 ④まとめ ①底つき体験ってどんな感じ? アルコール病棟では、患者同士で談笑している場で、各々の底つき体験の体験談をしては盛り上がる。ということがちょくちょくありました。 中には、お酒に関しての武勇伝か何かみたいに話す人もかなりいて、 わたしはあまりその手の武勇伝は興味なかったので、ほとんど聞いていませんでした。 底つき体験とは、心理学か、精神医学かの用語なのでしょうか。 スミマセン、わたしは、語源などは詳しく勉強していないので、このブログではご紹介出来ません。 わたしが書くことができるのは、 アルコール依存症者がほぼ体験する、もしくは、したことがある、アルコールに対しての底つき体験の話です。 アルコールを依存症者のそれのように、無茶な飲酒状態を続けていると、 頭では、「まだ飲みたい」と考えたとしても、 身体の方が受け付けなくなったり、 または、 一方で「まだまだ飲みたい」と思っても、 もう一方で、強烈な脱力感。無力感に襲われて、 飲酒に対してそれまでの強い欲求というものが、 急速に萎んでいくようになることがあります。 そういう状態に陥る体験を、アルコールに対しての底つき体験といいます。 残念ながら、わたしが入院していたアルコール専門病棟での講義でも、その時使用したテキストにも、個人的に読み漁ったアルコール依存症に関する専門的な書物にも、底つき体験に関しては、 具体的に教わることができませんでした。 講義での講話
40代でアルコール依存症と診断を受け、現在なんとか7年間断酒進行中です。50代になりましたが、更なる充実の日々のため、依存症とも、生活のしがらみとも、真っ向から闘う毎日を綴っていきたいと思います!