アルコール依存症専門病棟に入院した際、アルコールが及ぼした身体への影響の度合いなど、いくつかの検査とテストが行われました。
それらの検査を一つ一つ見ていくと、
アルコールが身体や精神にいかに悪影響を与えているか。
いくつかの検査やテストを通して、なかなか面白いことがいくつかわかりますので、
ご紹介したいと思います。
目次
①入院するまでの大まかな1日の飲酒状況を、
24時間のタイムテーブルで書き起こす
②入院前、退院後の仕事などの生活環境の聞き
取り
③血液検査
④脳のCT
⑤四肢の検査
⑥心理テスト
⑦簡単な計算
⑧最後に感想など
入院して、まずやったことは、
看護師さんから、書き込みが出来る、24時間の時間表が渡されて、
そこに、入院する直近の飲酒状況を、出来るだけ詳しく思い出して、
その日の行動。起きた時間から、日中、夜間、寝るまでどう過ごしたか、と、
その間、飲酒したアルコールの種類と量、飲酒環境などを出来るだけ詳しく書くことでした。
入院するまでの、覚えている一番直近の日にちの、
思い出す限り、詳しく時間を区切って、
思い出す限りの飲酒したアルコールの種類と量を書かなければいけません。
このタイムテーブルをわたしが書いたのは入院した初日、
わたしは、アルコールによる離脱状態がなかったので、初日に書くように紙を渡されましたが、
離脱状態が酷く、とても字を書くのが無理な人は、離脱状態が落ち着いてから書いていたようです。
特に何も言われずに、この紙に覚えている直近の飲酒状況を、時系列で書くようにと紙を渡されて、
最初、わたしは、アルコールの摂り過ぎと、同時に進行していた肝臓の病気の影響で吐血し、入院した日の前日のことを思い出して、ザッと書きました。
それを看護師さんに渡したところ、ザックリ過ぎると突っ返されてしまいました。
もっとしっかり思い出して、思い出した限りを詳しく書くように。
とのことでした。
入院すると、最低、初めの2日間は、離脱状態の出現が鎮まり、気持ちが落ち着くまで、個室で一人で、看護師さん以外は誰とも会わずに過ごすことになっていましたので、
その期間をフルに使って、出来るだけ詳しく書くことが求められました。
ということで、わたしは丸2日かけて、じっくりと思い出して書き起こしました。
その日は、吐血して入院するまで、とりあえずフツーに仕事に行き、仕事から戻っても体調は優れなかったのですが、「飲めば元気になるかなぁ?」などというアホな考えで、帰ってすぐの、駆けつけビールから夜、吐血するまでの間飲んでいた焼酎のロックまで・・。
飲んだアルコールの種類と銘柄。飲んだ量。
そして、どんな気分で飲んでいたか?など、自分が思いつく限りの感情や精神状態などを、出来るだけ詳しく書きました。
それを書いている時は、完全にアルコールが抜けている状態でしたので、
たった一人の部屋で、自分の飲酒状況を細かく思い出し、飲んだアルコールの分量と種類なども明らかにして、
「これだけを毎日飲んでいたら、そりや、依存症になるわな・・。」
などと、自分を客観視できて、改めて、落ち着いた気分で、何とかしないと。と思えたのでした。
自分の抱えいるアルコール依存症という問題を、まずは客観的に見つめて、これからの入院生活を意義あるものにしていかないといけない。という覚悟を入院患者に自発的に持たせる。
ということが目的の大事なプロセスだそうです。
わたしもそれまではあまり意識もしていなかった自分の飲酒状況を客観的に見ることができて、
3ヶ月の入院生活の間で、なんとか、しっかりと自分を立て直そう。と、この作業を通して決意することができました。
入院してすぐの個室での2日間が終わると、女性部屋、男性部屋と4人分のベットが置いてある部屋に移ります。
わたしは4人部屋に移りました。
移ったその日に研修室という、4人掛けのテーブルと椅子が置いてあるだけの部屋に連れて行かれて、
入院前の仕事や家庭環境、収入源など。
退院後の仕事や家庭環境、収入源などを看護師さんから聞かれて、それについて詳しく答える。
ということが行われます。
わたしも、
入院する直前まで仕事に行っていたこと。仕事の内容。仕事の勤務時間。
家族のこととして、家族の構成員。家族からの信頼度。家族の力関係。家族を支える収入源の主な事情など。
看護師さんから聞かれたことを、出来るだけ詳しく思い出したり、退院後のことは予定や思うところを話したりしました。
途中に休憩を挟んで約2時間。
こちらが詳しく思い出すまで、根気強く、看護師さんが聞き取りしてくれます。
仕事のことは、退院後の就業予定を特に聞かれました。
病院としては、退院後はすぐに仕事復帰をすることにはかなり慎重にならなければいないけない。
という意見を持っているようです。
アルコール依存症を克服することだけでも、かなりのエネルギーが必要であるので、仕事上のストレスなどは出来るだけ避けて通った方が安心だ。
ということでした。
わたしは、この点ではどうしても、譲れませんでした。
退院後、出来るだけ早く、職場に復帰するつもりでした。
この時点でもかなり職場に迷惑をかけている上に、ほぼ離婚が決まっていたこともあり、
家族を養っていく。という気負いがかなりあったためです。
この点で、かなり病院側との討論がありましたが、この質問のあとで聞き取りされた、退院後の収入源の予定。ということも絡めた上で、
決して無理はしすぎない。
困難であるとの覚悟の上、しっかり入院中に学んで、訓練していく。
ということで、なんとか合意を得ました。
(今となっては、許すならば、病院が主張したように、じっくりと退院後も断酒に集中して取り組める環境を整えた方が良かったか。と、思ったりもします。
わたしも案の定、退院後、すぐに仕事に復帰して、そのストレスからではなく、それが自分で思っていたより上手くいったことで油断し、すっかり元に戻れたと勘違いして、調子に乗っての再飲酒。再びアルコールに溺れる日々を送るハメにななってしまいました。)
③血液検査
入院したその日に採血があり、血液の検査があります。
チェックされる項目として、
肝臓の機能のチェック
ALP 肝臓で作られる酵素で、肝臓や胆嚢がダメージを受けて詰まるなどすると、数値が高くなります。
GOT・GPT・LDH これらの酵素は、主に肝臓の障害を受けて臓器が壊れると、血中にその量が増加します。
γ-GT アルコール性の肝臓障害で高くなります。
ピルビリン 肝臓、胆嚢、胆管に障害が起こると黄疸になり、皮膚や白眼が黄色になります。
ZTT・TTT 肝臓のダメージを見ます。肝硬変では高くなります。
後は、
総蛋白・アルプミンなどの全身の栄養状態を見るもの。
尿酸値・尿素チッソ・クレアチニンなどの腎臓の機能を見るもの。
血糖値・H bA1c・グリコアルブミンなど、主に糖尿病を計るもの。
その他、血球数や血小板などの血液状態、あと、珍しいところでは、血中アンモニア量などの数値も調べられました。
結果は一週間過ぎた頃に、医師に呼ばれて数値が記入した紙を渡され、指導とお説教をいただきました。
わたしは、肝臓に免疫系の病気を持っていたせいか、ALPとGOTは標準範囲から外れていましたが、肝臓のアルコールからのダメージが一番良く測れるというγ-GT は、どういうことか標準範囲内で収まっていたので、
そこまで強く叱られることはありませんでした。
血液検査は、この後は、退院前に再度行われ、初日の状態と比較して、医師からの指導があります。
さすがに3ヶ月間の入院生活・断酒生活で、ほとんどの人が、比べものにならないくらい、初日の状態より良くなっていたそうです。
④脳のCT
入院して一週間ほど経つと、脳のCTが撮られました。
アルコール専門病棟にCTの機械があることに、正直ビックリしました。
後から看護師さんに聞いてみたところ、
その時受けた脳のCT検査以外に、アルコール依存症の人には、内臓の疾患や、四肢の運動障害などや、大腿骨壊死などの骨の病気など、入院前や入院直後には分からずに、しばらく経って、ジワジワと症状が現れることがしばしばあり、その際には外部の専門病院に搬送しなければならない。ということがあるので、そういった時にCT検査が必要となることがあるそうです。
さて、脳のCT検査に戻りますが、
何故、脳のCT画像を写すか?というと、アルコール依存症の人は、脳、特に大脳が萎縮してしまっている人の割合が、一般の人とは比べものにならないくらい多いのだそうです。
アルコールによる脳の影響は、想像以上に大きいそうで、
大脳の萎縮以外にも、小脳の神経系の部分の萎縮や損傷などが原因で、
言語障害、四肢の麻痺、眼球運動の低下、痴呆などの障害が出る人も少なくないのだそうです。
わたしは、おかげさまで、脳のCT検査で、大脳の萎縮などの心配は今のところ大丈夫だそうで、
ホッとしたことを覚えています。
わたしと一緒に受けた同室の人は、少し大脳の萎縮が見られる。と画像を見せてもらいながら言われたそうで、かなりショックを受けていました。
後で看護師さんから聞いた話なのですが、
何度も出たり入ったりしている、いわゆる常連組の人は、脳の異常が見られる人がかなり多く、
中には、退院しても一般の人のような生活を送ることが困難で、
生活保護を申請して、このアルコール専門病棟の系列のケアハウスに入居している。という人も多いのだそうです。
(そういう人が、再びアルコール専門病棟に入院することは非常に多いそうで、その理由は、ケアハウスで職員の目を盗んでアルコールを飲んで、再びアルコール専門病棟の方へ送り返される。という事例が後をたたないのだそうです。)
⑤四肢の検査
これも、脳の検査からの延長の検査でして、
アルコールが脳神経に与えるダメージによる、四肢の運動障害などを見る検査です。
外部の提携病院から、整形外科の医師が来院して行われました。
同じ時期に入院した10名くらいが、講義などが行われるホールに集められ、いくつかの検査やテストが行われます、
最初に行われたのは、歩行のテストでした。
一人ずつ、医師の前を10mほど「普通に歩いて下さーい!」と言われ、歩いている姿を医師がチェックする。というテストです。
みんなにジロジロ見られながら普通に歩く。ということは、なかなかに恥ずかしいものだ。
と思いました。
床に一本、線が引いてあって、それに沿って歩くのですが、
アルコール依存症歴が長そうな、常連組の男性は、押し並べて、なかなか線の上を真っ直ぐ歩くことが出来ずに、フラフラ、フラフラなってしまっていました。
その後は、医師が小さなハンマーのようなもので、膝や肘の関節を叩いたり、腕がどこまで上がるか?膝や肘がちゃんと曲がるか、などの検査が行われて、医師が用紙にいろいろ書き込んでいきます。
最後は何故か体力測定のようなものが行われ、
背筋測定、屈伸測定、片足立ち、反復横跳びなど、学生の時以来に真面目にやった覚えがあります。
その時の検査とテストの結果は、特に後から聞かされてはいませんでしたが、
問題があった人には、後ほど個別に指導があったそうです。
⑥心理テスト
このテストは、入院して1ヶ月くらい経ってから行われました。
系列のケアハウスから、臨床心理士の方が見えて、病棟の談話室で行われます。
さまざまな項目が書かれた用紙を渡され、そこに書いてある質問に答えていく。
というテストでした。
例えば、
「あなたの目の前に大きな木があります。どのような木か、枠の中に書いて下さい」
などのものや、
「あなたは今、別れ道の前に立っています。その道は、2方、どのような道で、どちらに貴方は惹かれますか?」
などと、記述を要するものだったと思います。
全てに答え終わると、「しばらく自室に戻ってゆっくりしているように,」と、部屋を出されて、
それから30分くらい経った後、再び談話室に呼ばれて、臨床心理士の方の解説を聞きました。
詳しい解説の内容は覚えていないのですが、
覚えていなかった。ということは、取り立てて問題は無かった。ということでよかったのではないでしょうか?
⑦簡単な計算
小学生の低学年がやるような、一桁、二桁、三桁の足し算や引き算などの計算問題が何問か出されて、制限時間内に暗算で答える。
というテストも行われました。
このテストも、アルコールによる脳へのダメージのテストだそうです。
わたしや、同室の人などには非常に簡単な問題に思えましたが、
アルコール依存症歴が長い人の中には、計算以前に、手が震えて、鉛筆が上手く持てない人もいて、改めて、アルコールの影響の恐ろしさを感じたテストではありました。
ちなみに、このテストの答え合わせも、点数も教えてはもらえませんでした。
⑧最後に感想など
アルコール依存症専門病棟に入院してから行われた検査やテストを、ザッと書いてみました。
特に苦痛を伴う検査などはなく、
こういう言い方は良くないのかもしれませんが、
思ったより呑気な検査やテストであつたな。
という感想を持ちました。
というのも、
アルコール依存症、という病気は、
今すぐ命がどうにかなってしまう、という病気ではないからなのでしょう。
これらの検査やテストは、今すぐにでも改善されなければいけない問題を暴き出す。
といった切羽詰まった検査などではなく、
アルコールの問題にしっかりと向き合って、真面目に起動修正していくために、今の自分の状態を客観的見られるヒントを与えてくれる検査だつたのだな。
と、改めて、受けた検査やテストのことを久しぶり思い出して書いてみて、しみじみと思いました。
実際、わたしは、これらの検査やテストによって、自分の今の身体の状態や、それまでの飲酒行動がどこまで自分に悪い方の影響を与えていたかを、改めて見ることが出来ました。
これらの検査結果やテストを受けてみて、真剣に
「こんなのじゃイカン!」と頭を思いっきり後ろから殴られたようなショックを覚えて、
3ヶ月間、真面目に断酒に向けて頑張ろう!と、
不思議な意欲が湧いて来ました。
すぐに命に関わるような病気ではないものの、
アルコール依存症とは、ジワジワと身体や精神を内側から痛めつけて、やんわりと廃人へと導いていく病気なのです。
アルコール依存症専門病棟で、一通りの検査をしていただいて、その時わたしは、何やら恐ろしくてたまらなくなりました。
その時受けた検査の結果は、決して悪いものではありませんでしたが、
それをいいことに、退院後も同じような生活を送っていくと、
ジワジワと身体が蝕まれて、何人か、(言っていいのかと悩むところですが、) 病棟で見てきた、アルコールに蝕まれた果て、のような人の様になってしまう。という可能性は大いにある。
と、検査やテストの背景を感じ取って、何とも背筋が寒くなった思いがしました。
ご自分のアルコール問題が気になってきている方は、
一度、ご自分の身体を出来るだけ詳しく検査してもらってみてはいかがでしょうか?
まずは、今の自分の身体の状態を知りましょう。
そして、今は問題が無くても、アルコールの問題が続く限り、
1年後、2年後と調べてもらってみて下さい。
その間に、もし、何か検査の結果におかしな所が出てきた時は、自分のアルコールの問題に真剣に向き合ってみてください。
アルコールの問題は、必ず、まず、身体に現れます。
自分の身体が出すサインを見落とすことなく、
そして、
何か違和感を感じたら、迷わすに、専門の機関に相談してみましょう。
依存症になってしまう前に、上手にアルコールのコントロールが出来るような訓練を受けてみることが、とても大事だ!
と、心の底から思っています。
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