アルコール依存症を疑う方法として、
アルコールの呑み方、その人の飲酒行動の傾向を見ていくことで、
軽度(修正可能)から重度(医師や断酒団体などに要相談)まで、ある程度測ることができる。
と、アルコール依存症病棟での講習とその際使用したテキストで学びました。
そこでの学びと、わたしがアルコール依存症と診断されるまでの飲酒傾向の変遷を時系列に書かせてもらうことで、
今、「ヤバイかも?」と心配されている方に、
まだ引き返すことができるレベルなのか。
そろそろ真面目に依存症を疑った方がいいレベルか。
すぐにでも、断酒を始める努力をするべく、医師や断酒団体など、それなりに経験と知識のある方に頼った方がが良いレベルか。
飲酒行動の変化の様をレベル分して記していこうと思います。
目次
①レベル1・家呑み、一人呑みが増える
②レベル2・ほぼ毎日、同じパターンの飲酒
が続くようになる。
③レベル3・疲れたり、気分が塞いでいても、
飲酒をすると、爽快になる。
④レベル4・今日はやめておこうと思っても、
結局、呑んでしまう。
⑤レベル5・呑んではいけない時間、場所でも、
我慢が出来ずに呑んでしまう。
⑥レベル6・隠れ呑みをするようになる。
⑦レベル7・アルコールが切れると、
イライラしたり、不安が増してくる。
⑧レベル8・アルコールが切れると、
身体的な変調をきたすようになる。
(注)以上のレベル分けは、わたしが実際に入院したアルコール依存症病棟での講習時に配布された学習用の冊子を参考にしています。
⑨ 自分の飲酒に問題を感じたら、
一人で悩んでいても解決できません。
①レベル1・家呑み、一人呑みが増える
お酒はもっぱら、楽しく、家族や友人たちとのコミュニケーションツールとして飲むことがほとんど。
という人に、アルコール依存症者はあまり見当たらないといいます。
家族との晩酌や仲間たちとの楽しい会話と美味しい食事とお酒が好きで、そういう場での飲酒がほとんどという間は、
多少、飲み過ぎて羽目を外してしまった。としても、
ほとんどの人が、「飲み過ぎたから、今日は控えよう」と、自分の飲酒行動をコントロールできる人です。
アルコール依存症は、コントロール障害とも言われています。
自分のアルコール行動をコントロールできる。
例えば、「今週飲み過ぎたから、今日のお酒はやめておこう。」などと、自分で自分の飲酒の問題行動が分かっていて、それに対してちゃんと対処できる人は、
アルコールが好きで、たまに飲み過ぎて羽目を外したりしても、アルコールをコントロールできる。という点で、アルコール依存症の心配はないと思っていいでしょう。
同じ家で一人で飲酒する場面にしても、
何かを楽しみながら。
例えば、ネットフリツクスで映画を楽しみながら、とか、好きなクラッシックの音楽を聴きながら、とかいうように、
何かを楽しむことを盛り上げるために何かをツマミながら、美味しいお酒を飲む。
などといった、楽しみを引き立ててくれるような飲酒をしている方は、アルコール依存症になる心配はそれほどないと思われます。
家での一人呑みで心配な呑み方といえるのは、
お酒を呑むことが、まずは第一目的で、
お酒を呑むことで、何かから解放されたい。
とか、気分を上げたい。とか、イヤなことを忘れたい。とか。
何かの楽しみを増大させる為に飲むのではなくて、
自分の憂さを晴らすために呑む。
といえば分かっていただけますか、
家での一人呑みで、アルコール依存症の心配がそれほど無い人の飲み方というのは、
お酒を飲む。という意識が外への好奇心とともに向いていて、
依存症傾向にある呑み方は、内は内へ。と意識や思いが向いた状態で呑んでいる。
外への好奇心か、
内への感情か、
この違いがまず、最初の飲み方の違い。
と言っていいと思います。
このレベルの人は、
例えば家族と一緒に住んでいる人は、
「内に向いて呑んでる」と思ったら、誰か家族と一緒に、テレビを見ながらでもいいですよ。
何か食べ物をツマミながら、できるだけ楽しいお酒になるようにしてみて下さい。
一人暮らしの人らば、ズーム繋いででもいいし、
スマホでテレビ電話しながらでもいいので、
できるだけ意識して、誰かと一緒に楽しみながら飲酒ができるように、ここは努力してみて下さい。
1番最悪なのが、
一人でひたすら飲んで(この際、アルコールならばなんでもよくなっているのであれば、更に要注意です)、
結果、酔い潰れて寝ちゃった。というのパターンが続くことです。
こうならないように、一人呑みがヤバい!と思われる人は、無理矢理誘ってでも、誰かと一緒にお酒を楽しめるように努力しましょう。
ヤバい一人呑みパターンから逃れられると、
アルコール依存症の沼に落ち込むのを避けることができる。と思います。
レベル2として、
ほぼ毎日、同じ時間になると飲みたくてたまらなくなる。
ほぼ毎日、同じ場所にいくと飲みたくてたまらなくなる。
を上げています。
仕事が終わったら、とりあえず家に戻ってビールを1本!
休みの日は、朝から景気づけに一杯!
とか、
休みの日は、一日中家でチビチビ飲んでいる。
ランチタイムでも、とりあえずビールが飲みたくなる。
などなど。
いわば、条件反射的に頭がアルコールを欲するようになってくる状態を上げさせてもらいます。
このように、飲酒が習慣づいてくると、
その状況下になると、頭からアルコールが離れなくなり出します。
わたしも、このレベルと思われる時は、
仕事から家に戻ったら、何をするより、まずは冷たいビールを1本、クゥーッと喉に流し込むのが、
一日の至福の時。仕事頑張ってきた自分へのご褒美!などと思っていました。
このレベルでも、まだ引き換えせます。
自分の飲酒行動が条件反射の域にまで及んでいる。
と、しっかりと自覚して、しばらくの間、
意識して飲酒を止めてみてください。
我慢が出来れば、まだ引き換えせます。
確かに、冷たいビールを疲れ果てた時に、グゥーッと飲むと、一気に疲れが吹き飛ぶような気分になりますよね。
でも、この快楽の感覚に依存しすぎて、状態化してしまうのはアウトです。
依存症というくらいなのですから、
快楽(この場合では、冷たいビールで疲れが吹き飛ぶ気分)だと脳が認識したものに依存していまうのが、依存症と言われる所以ですので、
休日前に限って。とか、自分なりにルールを決めて、それを守れるように努力できないというのであれば、
疲れた=冷たいビールを1本=気持ちいい。(快感)
という公式が、脳の中で出来上がってしまっているのかも。
気分が塞いだ時にお酒を飲むと忘れられるから。
という理由でアルコールに頼る。
というのも、快楽の公式と同じで、脳の中で公式が出来上がっていると言えます。
自分の体調や感情とアルコールが、脳の中で結びついてしまっているので、
すでに、アルコールに依存している。と言えるでしょう。
このレベルまで心あたりがある方は、
意識的に、しばらくアルコールから離れる生活が送れるか、自分でテストしてみて下さい。
まだ大丈夫だったら、自分の飲酒行動をしっかりと自覚して、コントロールする努力をしていってください。
このレベルに達する頃には、
大抵の人は、自分の飲酒行動に問題があるのは?と、不安になってきていると思われます。
「さすがに毎日呑んでしまっているから、今日は呑むのは止めておこうか・・・」
といくら心に決めていても、
いつも一杯呑んでいる環境に身を置くと、
やっぱり、ついつい呑んでしまって、
落ち込んだり、開き直ったり。
そして、
「明日は呑まない!」と再度心に誓っても、
やっぱり、明日になると、我慢できなくて呑んでしまった。
ここまでくると、もはや、アルコールに対するコントロールがあなたの頭の中で、効かなくなってきているのかもしれません。
そろそろ、自分一人で解決できる段階ではなくなってしまうかもしれない。
と、考えてみて下さい。
そして、誰か信頼おける友人や家族などに相談してみて、飲酒行動を根本から一緒に見直してもらうよう、頼んでみてください。
今から、どうしても外せない約束がある時とか、
仕事に行かないといけない時間になったのに。とか、
シラフで出かけないといけない時間帯や、
シラフで出かけないといけない場所などに、
分かっていても、飲酒欲求が急に高まってしまって、
ついつい、呑んでしまって、
酔っ払って出向いてしまったり、
酔っ払って結局行けなかったり、
こうなると、関係している人たちからの信用もガタ落ちです。
そうなると、尚更落ち込んで、それが理由でまた飲酒してしまう。
という悪い飲酒のループに入ってしまったレベルです。
ここまで来ると、周囲からの目なども気になってくるようになりますから、なかなか、身近な人に相談しにくくなってきます。
思い切って、心療内科などに行って、カウンセリング等を受けてみるのを勧めます。
⑥レベル6・隠れ呑みをするようになる。
だんだん、周囲の人や家族の目が気になって来て、
特に家族に、隠れて飲酒するようになってきます。
レベル5までいくと、さすがに、いつも一緒に接している家族や近しい友人などは、
あなたの飲酒行動が、少しフツーの人と比べて、おかしいのではないか?
と、感じてきているはずです。
そうなると、咎められるのが鬱陶しかったり、
恥ずかしかったりして、
段々、心配して注意してくれる人や、叱ってくれる人などから隠れて飲酒を続ける傾向が増えてきます。
わたしも、アルコール依存症病棟から退院して、1ヶ月くらいで再飲酒してしまった頃は、
家族にも後ろめたくて、隠れて飲酒するようになっていました。
さすがに家でおおっぴらに飲めませんし、
それでも、お酒は飲みたい。
というわけで、職場の帰り道でコンビニに寄って、コンビニのトイレで飲んでみたり、
こっそり自分の寝室のあちらこちらに、ウイスキーや焼酎など、度数が高くて、しっかりとキャップが締められて、隠しやすいお酒を隠して、チビチビ飲んでいたり。
今になって思い出すと、
「なんで、あんなに必死に隠して飲んでいたんだろう?」
と、不思議に思うくらいですが、
あの頃は、バレていない!と信じていたのが可笑しい話です。
ここまでくると、精神的にもガタガタになってきます。
それだけでなく、
アルコールの影響が、直接、精神面に及んで来だします。
このレベルまで達すると、
アルコールが体内から切れることで、実際、イライラが止まらなくなったり、逆に、すごい無力感な襲われてしまったりします。
ここまでくると、さすがに本人や家族だけで解決したり、支えたりすることは無理な段階です。
一度、アルコールが切れたことによって、精神的に不安定になって、苦しい目にあった人は、
アルコールが切れることが非常に恐ろしくなってしまい、連続飲酒に繋がってしまうことが多いのです。
身体的な変調をきたすようになる
精神面だけでなく、身体的にも、アルコールが特に体内から切れてくると、「離脱症状」と言われる症状が出てくるようになります。
ここまでくると、大抵の場合は、心療内科やほかの症状で行った内科の医師などによって、
アルコール専門外来がある病院を紹介されたりします。
離脱症状には、アルコールが切れたころ、手が震えてきたり、寝汗をかいたり、手のひらが異常に赤くなってきたり、など、比較的早期の離脱症状と言われるものがありますが、
手の震えなどは、アルコールを口にすると面白いくらいにピタッと収まることがありますので、
仕事の合間などにアルコールを一口飲んで、手の震えを抑える。
という悪循環に陥いる人が多い。というのもアルコール依存症者の中では、アルアルになってしまっているところが、悩ましいところです。
この早期が進むと、なんとも恐ろしい、振戦せん妄や、幻覚、幻聴などの症状が出てくる人もあります。
振戦せん妄とは、文字からのイメージ通り、
ガタガタ震えがきて止まらない状態が続くことで、
幻覚、幻聴とは、実際にないものが見えたり、実際に聞こえない音や声が聞こえてきたりすることです。
おかけさまで、わたしは、軽く手が震えているような感覚までは経験したことがありますが、
それより酷くなる前に、喉の静脈瘤が破裂して吐血して、救急病院に担ぎこまれましたので、
幻覚などをハッキリと、見た経験はありませんが、
アルコール依存症病棟での当時の入院仲間の中には、それぞれユニークかつ恐ろしい幻覚や幻聴の経験談を持っている人の方が多かったようでした。
アルコール依存症病棟では、幻覚、幻聴に襲われて、暴れ、救急搬送されて来て、人によっては拘束され、外から鍵がかかった、病棟の管理部屋と呼ばれていた部屋に担ぎ込まれる人も少なくはありませんでした。
わたしがアルコール依存症病棟に入院中や、それ以降にしばらく通って勉強していた断酒をサポートする会での学習で繰り返し、繰り返し学んだ
アルコール依存症のレベルを表すチェックリストを参考にして、
わたしが自分で陥っていた状態や、
アルコール依存症病棟でのワークアウトで、当時の仲間から聞いた話を総合的に考えて、
初期から重度のアルコール依存症段階的に、レベル分して書かせてもらいました。
正直、書いていてあまり気分はいいものではありませんでしたが、
「エーッ!」と思われる内容も、実際にわたしが愚かにも行っていた飲酒行動が芯にありますので、
出来るだけわかりやすくお伝えできたか。と思っています。
書いて、伝えたかったことは、
アルコールに問題があるかも?と思っている方に、出来るだけ、ここで書かせていただいたレベルの低いうちにご自分の問題を自覚してもらって、
レベルが低いうちに、自分の飲酒問題を家族や信頼できる人にオープンに話してみて、
なんとか修正できるように手を貸してもらって、
ご自分の飲酒行動を、しっかりコントロールできるように努力してもらいたい。
ということです。
わたし自身、アルコール依存症になってしまって、諦めないといけないものや、無くしてしまった信頼を取り戻す努力とか、
「どうしてもっと早く、修正できなかったのだろうか。」
とか、今となって、悔やんでも悔やみきれないほど、失ったものは大きかったです。
まずは、
引き返せる人には、頑張って引き返してもらいたい。
と思って、少しディープな内容になったかもしれませんが、
このような内容でブログを上げさせてもらいました。
アルコールの問題は、一人で解決しようと思っても、その問題の閉鎖性ゆえに、なかなか上手くいかずに、ますます深みにハマってしまう。ということが、大変多い問題です。
自分の飲酒行動に、もしかしておかしい?と感じることがある方、
できるだけ早いうちに、家族なり信頼がおける友人なりに打ち明けて、
一緒に誤った方向に進んでいる飲酒行動を修正できるように手を貸してもらえるようにしてください。
一人での解決は、残念ながらとても難しすぎます。
失ってしまうものが少ないうちに、
頑張って早いうちに、身近な誰かにHELPを出してみて下さい。
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